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その差って何？

この前「この差って何ですか」というテレビ番組を見ていました。大変勉強になった事があったので紹介します。

デパートなどで実演販売をしている人は、完全な実力社会なのだそうです。売り上げトップのセールスマンと駆け出しのセールスマンの違いは何か比較していました。

駆け出しのセールスマンも勉強熱心な方で流暢に商品説明をする事が出来ます。顔はどちらかというと駆け出しの方の方がイケメン。テレビに出るのでやる気マンマンです。

最初の商品は、どんな汚れも簡単に水だけで落とせるミラクルファークロス。
駆け出しセールスマンは、スポンジにマジックで線を書き、水につけたらマジックが何もしないでも浮き上がって来る事を見せ、クロスについた汚れが水だけで簡単に落とせる事をアピール。
一方、トップセールスマンは自宅で油でベトベトにした換気扇を用意。それを取り出してお客さんにスポンジで洗ってもらう。ちょっとこすっただけで、頑固そうな汚れが簡単に取れて、お客さんもビックリ。

次の商品は、紐を引っ張ると簡単にみじん切りが出来るフードチョッパー。
駆け出しセールスマンは、タマネギやキャベツを用意。お客さんの前で鮮やかにみじん切りにして見せ、いかに簡単にみじん切りが出来るかをアピール。お客さんからもおーっと声が上がり盛り上がるが、「いかがですかお客さん」と売り始めると波が引いたようにお客さん達がいなくなる。
トップセールスマンは、容器に何とゆで卵を入れお客さんに引かせる。出来たゆで卵のみじん切りを見せるが、それだけでは終わらない。それに、マヨネーズ、パセリ、タマネギ、お酢を加え、またお客さんに紐を引かせるとあっという間にタルタルソースが完成している。その他にも、唐揚げをいれて紐を引き油を抜いてみせたり、餃子の具を作ったりとにかくお客さんを楽しませます。

その差は何か？については、最初の商品では商品をアピールするよりも、家庭の悩みのあるあるを再現する事が大事ということ。二番目の商品ではトップセールスマンは日常生活で使い込み商品説明書にはない独自の使い方を発見する事が違い。と解説していました。

僕もその通りと思いますが、根本的な違いは、あと一歩のお客さんを思う気持ちの違いではないかと思います。

仕事は何でもそうですが、人に喜んでもらうためにやるものです。
流暢にしゃべって商品説明をする事も大事ですが、それだけでは人の心をグッとつかむ事は出来ません。

トップセールスマンは、この商品をどのように使ったらお客さんに喜んでもらえるのか一生懸命考えています。
それは誰もが教えてくれない、自分自身で考えた使い方です。
それを再現する事でお客さんの心にそうそうと思う共感とこんなにっ！と思う感動を生むのだと思います。

彼は商品を売っているのではなく、商品を使った感動を与えているのではないでしょうか。

医療に置いても同じです。教えられた治療法を漫然と全ての人に当てはめるのではなく、その人その人にあった方法をその人の立場に立って考える。
あと一歩患者さんを思う気持ちを大切にして、毎日の診療をしていきたいと思います。

院長　吉富信幸